シアヌークビル港、9カ月間で力強い成長を記録

カンボジアの主要物流拠点であるシアヌークビル自治港(PAS)は、年初から9カ月間にわたり貨物取扱量およびコンテナ取扱量(TEU)が大幅に増加したと発表した。これは、国内物流セクターの活発さを示す重要な指標となっている。

同港は先週、プノンペンで開催された「My First Stock 2025」セッションにおいて最新データを公開した。

報告によると、今年1〜9月の貨物取扱量は887万トンに達し、前年同期比23.15%増と大幅な伸びを示した。コンテナ取扱量も95万9,293TEUとなり、前年同期比26.1%増を記録した。

PASは、このペースが続けば年末までに取扱量が130万TEU、貨物量が1,175万トンに達するとの見通しを示している。

PASのルー・キムチュン会長兼CEOは、この顕著な成果について「PASが自らのビジョンとマスタープランに沿って、カンボジアのみならずメコン地域全体を支える地域港・物流ハブへと着実に変貌を遂げつつある証拠だ」と述べた。

同氏はまた、カンボジア政府が掲げる「ビジョン2050」(高所得国入り)達成への貢献に向け、「サービス品質の向上、デジタル変革の促進、国際貿易の主要ゲートウェイとしての役割強化を進め、投資誘致にも取り組む」と、カンボジア証券取引所(CSX)に提出した報告で強調した。

さらに、人材育成にも力を注ぎ、技能向上や研修を通じて「効率的で付加価値が高く、迅速かつ競争力あるサービス」を提供する体制を強化していると付け加えた。同社は、株主の利益を高めるため、業務効率とサービス提供の改善を継続していく方針だ。

報告では、2億300万ドル規模の「新コンテナターミナル開発プロジェクト」の進捗も主要項目として紹介された。

PASの発表によれば、拡張工事の第1期は今年10月時点で50%に達している。同プロジェクトは2027年の全面完成を予定している。

新ターミナルが完成すれば、同港の処理能力は大幅に増強され、大型コンテナ船の受け入れが可能となる。これにより、カンボジアの貿易における積替え需要が減り、輸送コスト削減にもつながる見込みだ。