ランカン・メコン諸国、技術協力に向けイノベーション回廊を始動

ランカン・メコン協力(LMC)に加盟する6カ国(中国、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)の上級担当者は、火曜日に「ランカン・メコン・イノベーション回廊」を正式に立ち上げ、構想段階から実施段階へと移行した。これは、東南アジアにおける越境的な科学技術協力の強化を目的とするもので、第2回上級実務者会合がカンボジア工業・科学・技術・イノベーション省(MISTI)の主催によりプノンペンで開催された。

会合では、科学技術・イノベーション分野における共同取り組みを加速させ、地域の相互発展と地球規模の課題解決に貢献するための戦略が議論された。

MISTIの科学・技術・イノベーション総局 トライ・ソパール 総局長は、この回廊の立ち上げが持続可能な成長に向けたイノベーション推進の重要な一歩であると強調。加盟国に対し、科学技術政策の整合性向上、協調枠組みの強化、共同研究および技術移転プロジェクトの支援を呼び掛けた。政策の足並みをそろえることで障壁の解消、基準の調和、研究・技術交流、人材育成の促進につながると述べた。

中国側からは、中国科学技術部(MoST)国際協力局の戴剛(Dai Gang)局長が出席し、今回の会合を地域にとっての「重要な節目」と位置付けた。中国は同回廊を「旗艦プロジェクト」とする方針を改めて表明した。戴局長は、中国の第15次五カ年計画における重点項目として、自立自強の強化、国際協力の深化、2024年に4,960億ドル超に達する過去最大規模の研究開発投資などを紹介した。

また、中国のMoSTはこれまでにLMC諸国の若手科学者129人以上を支援し、3,400人超の技術・管理人材に対して研修を提供してきたことを明らかにした。

優先分野としては、科学技術による貧困削減、人工知能(AI)分野の共同研究、伝統中国医学をめぐる協力などが議論され、中国はさらなる支援を約束した。加えて、科学技術を活用した貧困対策のための特別協力プログラム創設や、回廊事務局の設置についても提案が行われた。