JICA、持続可能な都市開発に向け都市鉄道の重要性を強調

国際協力機構(JICA)はカンボジア工科大学(ITC)と協力し、都市鉄道の整備と公共交通指向型開発(TOD)に関する講演会を開催した。講演では、持続可能な都市の成長を支えるための総合的な交通計画の重要性が強調された。

「日本とアジアにおける都市鉄道整備と公共交通指向型開発(TOD)の経験」をテーマとしたJICAチェア講演会が、8月13日にプノンペンで開催された。

講演は、一般財団法人運輸総合研究所(JTTRI)研究アドバイザーの森地 茂氏が行い、JICAカンボジア事務所のサヌイ・カズマサ首席代表も出席した。

講演では、森地氏が、政策研究大学院大学(GRIPS)、東京大学、東京工業大学の名誉教授としての経験も踏まえ、急速な都市化が進むアジアの都市が直面する課題について説明した。

同氏は、交通渋滞、都市の無秩序な拡大、公共インフラへの負担増加などを主要な課題として挙げた。

同氏は、大規模な輸送能力を備えた都市鉄道システムへの適時な投資と、公共交通指向型開発(TOD)を組み合わせることが、持続可能な都市の成長を促進し、自家用車への依存を減らすために不可欠であると強調した。

日本の経験を踏まえた講演では、交通インフラと土地利用計画の一体化、持続可能な資金調達の仕組みの構築、そして強力な公共部門のリーダーシップの重要性が指摘された。これらの取り組みにより、アジアの首都における移動の利便性や都市の住みやすさを向上させるとともに、長期的な経済発展を支えることができるとした。

この講演会には約100人が参加し、経済財務省、国土管理・都市計画・建設省、公共事業・運輸省、プノンペン都庁の代表者らが出席した。

また、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)をはじめとする開発パートナーの関係者も参加した。

2018年に「JICA開発大学院連携(JICA-DSP)」の下で設立されたJICAチェア・プログラムは、日本の近代化と発展の経験に関する講義や学術交流を通じて、開発途上国・パートナー国の次世代のリーダー育成を支援する取り組みである。

講演では、都市鉄道の整備と公共交通指向型開発(TOD)に関する日本および東南アジアの経験や教訓が共有され、交通政策、インフラ計画、持続可能な都市開発について意見交換が行われた。

また、カンボジアにおいて、社会的・財政的に持続可能な鉄道システムを整備する上での機会と課題についても検討された。

JICAはこのプログラムを通じて、知識の共有と相互学習を促進するとともに、パートナー国が直面する持続可能な開発上の課題についての議論を支援している。