「国連本部発」国連は水曜日、「持続可能で包摂的かつ強靭な世界経済のための第1回隔年サミット」を開催し、持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた国際金融システム改革について議論した。
このサミットは、アントニオ・グテーレス国連事務総長が2021年の「我らが共通の課題」報告書で初めて提案したもので、米ニューヨークの国連本部における第80回国連総会ハイレベルウィークの一環として行われた。
SDGs達成に必要な資金は4兆ドル以上不足しており、国連総会議長アナレーナ・ベアボック氏は「開発途上国に国際金融機関の中でより大きな発言権を与えることを含め、国際金融改革に関する明確な勧告が示された」と強調した。
「金融機関の抜本的な改革なくして、そして悪循環のような債務の罠を解決しない限り、我々はSDGsを実現できない」とベアボック氏は警告した。
冒頭挨拶でグテーレス事務総長は、このサミットを「国際金融対話に一貫性、野心、そして包摂性を与える場」と位置付けた。さらに「今日の世界とその課題の規模・複雑さに対応するためには、現在の国際金融アーキテクチャの改革が必要だ」と訴えた。
公的資金の不足と不公平な制度が改革を迫っているとし、「現行システムには途上国の利益に対する大きな偏りがある」と述べた。
国連経社理事会(ECOSOC)のロク・バハドゥル・タパ議長は、今回のサミットが「国連と国際金融機関との制度的つながりを強化するために設計された」と説明。貿易摩擦が多国間貿易システムへの信頼を損ねている現状に触れ、「我々の課題は信頼を回復することだ。改革を包摂的、公平、かつ正統なものにする必要がある」と訴えた。
世界貿易機関(WTO)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、地域開発銀行など国際金融機関も加盟国とともに、開発金融が直面する重大課題について協議に参加した。
IMFのクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事は、世界経済システムが「多方面でリセットされつつある」と述べ、IMFは「引き続き建設的な役割を果たし、特に低所得国への金融支援を行う」と強調した。
WTOのンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長は「貿易システムには深い改革が必要だ。限られた資源をより効果的に活用すべきだ」と語った。
アフリカ連合委員会のアリ・ユスフ議長は「アフリカの声は世界経済ガバナンスの形成において影響力があまりに小さい。今回のサミットは、アフリカ諸国の優先課題やニーズが聞き入れられ、世界的な行動に反映される包括的な場を提供している。アフリカの資金需要は膨大だ」と強調した。