タイ軍による11月12日の事件を受け、住民が自宅を離れざるを得なくなったカンボジア・バンテイメンチェイ州では、多くの避難者が安全を確保し、政府による支援を受けています。避難所は、同州オーチョロウ郡オーベイチョアン・コミューンにある チャン・シー・サマキ・ラタナラム寺院 に設置され、住民にとって安全な滞在先となっています。
この避難所には、食料、寝泊まりできる施設、医療チームによる継続的な診療など、緊急支援が提供されています。避難してきた多くは、プレイチャン村やチョークチェイ村など、国境地帯の危険性が高い地域の住民です。
今回の事態は、プレイチャン村が攻撃を受け、カンボジア人1人が死亡、3人が負傷したことがきっかけとなりました。
避難者の一人、プレイチャン村出身の コン・サムナンさん は「政府の保護のもとキャンプに着いたとき、安心した。寺に滞在している間は恐怖が和らいだ」と話しました。
同じく避難した76歳の チン・チャイさん も、安全な環境と十分な支援を受けていると述べています。
バンテイメンチェイ州の オウム・リアトレイ州知事 は19日、一部の住民はすでに帰宅を始めたものの、現在も 約700世帯 が避難所で過ごしていると明らかにしました。
知事は、州政府と中央政府が引き続き住民の生活支援に取り組んでいると述べ、治安の確保、避難所の環境、必需品の提供、医療サービスなどを最優先事項として位置づけていると強調しました。また、政府関係者や慈善団体が協力し、食料や金銭的支援などを届けていると説明し、「政府は国民を困難に直面させたままにすることはない」と述べました。
避難者たちは、財産の損失や生活の混乱が続く中でも、政府の迅速かつ包括的な対応に感謝を示しており、特にオウム・リアトレイ知事の継続的な支援に謝意を述べています。
チャン・シー・サマキ・ラタナラム寺院は、単なる一時避難所にとどまらず、危機の中で市民を支える王国政府の姿勢を象徴する存在となっています。