アジア市場下落、金は新高値更新

香港発-水曜日のアジア市場は下落した一方、金は過去最高値を更新した後も6日連続の上昇を続けた。株式・債券市場の売り圧力を受け、投資家が安全資産を求めたためだ。

アジア市場開場時に現物金は新高値を更新し、0.4%上昇して1オンス当たり3,546.96ドルに達した。

過去6日間で価格は5%上昇。トランプ大統領がリサ・クック連邦準備理事会(FRB)理事の解任を試みたことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の将来に不安が広がっている。

オーストラリア・コモンウェルス銀行のキャロル・コング氏は「トランプ大統領のホワイトハウス復帰が、投資家の安全資産選好を変えた可能性がある」と指摘。

「金は年初来30%超上昇し、他資産を上回るパフォーマンスを示した。トランプ大統領が米主要機関、特にFRBの独立性を損ない続ける場合、米ドルの安全資産としての魅力がさらに失われるリスクがある」とコン氏は続けた。

SPIアセット・マネジメントのスティーブン・イネス氏は、債券と株式が低迷する中、金地金が「最後の手段」となったと指摘。

「ドル高が世界的な金融引き締めを強める中、ハイテク・半導体分野での関税摩擦が再燃し、アジアが孤立した取引を続けることは不可能だ」

一方、東京株式市場は国内の政治不安に押され、7月の参院選惨敗を受け与党ナンバー2が火曜日に辞任を示唆したことを受け、寄り付きから下落した。

東証株価指数(TOPIX)は0.5%安の3,067.11、日経平均株価は0.3%安の42,165.54で取引を開始した。

シドニーのヴァンエックでクロスアセット投資戦略を担当するアンナ・ウー氏はブルームバーグに対し、「トレーダーは日本の政治見通しを巡る不確実性の高まりを認識しており、これがボラティリティを押し上げている」と語った。