カンボジアの首都プノンペンが、BBCトラベルによる「2026年に訪れるべき世界の20の旅行先」の一つに選ばれた。文化体験や独自性のある目的地を世界的に紹介する同メディアは、2025年12月に発表した特集の中で、これまでシェムリアップの影に隠れがちだったプノンペンが、2026年に向けて自信を持って前進していると評価した。
BBCトラベルは、その象徴として、同国史上最大のインフラ事業である新テチョ国際空港の開業を挙げている。巨大な銀色の仏像を配した近未来的なターミナルは、2026年を通じて国際的なアクセスを大きく改善する見通しで、アラブ首長国連邦、トルコ、中国、日本などからの新規路線が予定されており、プノンペンはこれまで以上に訪れやすい都市になるという。
市内では急速な変化が進んでいる。15年前には信号機が一つしかなかった都市は、今や持続可能な都市観光のモデルケースとして紹介されている。新たに整備されたチャクトムック・ウォークストリートは歩行者専用のリバーサイド通りで、週末にはクメールの屋台料理や地元工芸品、ライブ音楽が楽しめる祝祭空間へと姿を変える。また、新しく開業したローズウッド・プノンペンでは、電動トゥクトゥクを導入し、宿泊客の市内移動に活用している。
BBCトラベルは、プノンペンの「居心地の良さ」が偶然ではない点にも注目している。その背景には、王宮より高い建物を建ててはならないと提唱したカンボジアの建築家ヴァン・モリヴァンの思想があるという。2026年の現在、その遺産は街の至る所に見られ、1960年代に建てられた彼の旧邸宅は、デザイン志向のカフェ兼ミニミュージアムとして再開され、次世代の若手建築家に刺激を与えている。さらに、若いクリエーターたちが他のモダニズム建築の修復にも取り組んでいる。
また、Z世代が主導するサステナブルなブティックや蒸留所、サードカルチャー系のコーヒーショップの増加も紹介された。海外から帰国した若いカンボジア人による動きが活発化しており、地元の植物を使った受賞歴のある蒸留酒を味わったり、戦争中に禁止されていたクメール料理を楽しんだり、歴史的なショップハウスが並ぶ緑豊かな路地を散策したりできるという。
同ランキングには、アラブ首長国連邦のアブダビ、日本の石川県、インドネシアのコモド諸島など、他のアジアの目的地も含まれている。このリストは、ジャーナリストや旅行専門家、持続可能な観光分野のリーダーらの意見を基に作成され、地域社会の支援や環境保護、文化遺産の保存に貢献する観光地が選ばれている。