2025年末から2026年初頭にかけては、気候条件が良く、国際・域内旅行者にとってカンボジア観光の最盛期を迎える。2025年に開業した
テチョ国際空港、 2023年に開港した
シェムリアップ・アンコール国際空港 により、主要航空会社の新路線も相次いで就航し、同国へのアクセスは一段と向上している。
観光は引き続き同国経済の重要な柱であり、旅行者、在住外国人、投資家の流入は不動産市場にも影響を与えている。以下では、カンボジアのビザ制度について、種類、要件、申請方法を概説する。
カンボジア e-Arrival（CeA）
カンボジアe-Arrival（CeA）は、2024年7月1日から空路で入国する全渡航者に義務付けられた制度である。従来の入国カード、健康申告書、税関申告書を一本化し、オンラインまたはアプリで提出できる。
• 到着7日前までに提出（無料）
• 提出後、QRコードが発行され、到着時に提示を求められる場合がある
• パスポートの大型ビザ・スタンプは廃止され、入国後はEメールで「v-Pass」が送付される
カンボジアの主なビザの種類
1. 観光ビザ（Tビザ）
短期観光目的の外国人向け。事前申請または到着時取得が可能。
• 単一入国、更新は1回のみ
• 更新後、さらに30日滞在可
• 長期滞在には不向きで、普通ビザ（Eビザ）の検討が推奨される
2. 普通ビザ（Eビザ）
以下の4種類の延長・用途がある。
EB（ビジネス）
• 対象：事業、投資、就労予定者、家族、フリーランス、ボランティア
• 有効：入国後1か月（1・3・6・12か月延長可、6・12か月は複数入国可）
• 注意：就労には労働省発行の就労許可が別途必要
EG（求職）
• 対象：未就職だが就職活動中の外国人
• 有効：通常1か月（1回のみ、最長6か月延長可）
ER（リタイアメント）
• 対象：55歳以上
• 有効：入国後1か月（最長1年延長可）
• 要件：年金または十分な貯蓄の証明
ES（学生）
• 対象：カンボジア登録教育機関の留学生
• 要件：入学許可書など
その他のビザ
• 公用ビザ（B）：国連、WHOなど政府招請の国際機関職員
• 訪問ビザ（C）：外務省とMoU締結の国際NGO職員（無料）
• 長期滞在ビザ（K）：外国旅券を持つカンボジア人（生涯有効・無料）
• 子ども用ビザ：非カンボジア国籍の子どもはEビザが必要（親がカンボジア人の場合はKビザ）
2026年：中国人向けビザ免除試験導入
2025年12月の発表によると、2026年6月15日から10月15日まで、中国籍訪問者は**最大14日間、ビザ免除（複数入国可）**で滞在可能となる。e-Arrivalの提出は引き続き必要。
ビザ申請方法
1. 到着時ビザ
空路・陸路・海路で申請可能。
• 費用：Tビザ30米ドル、Eビザ35米ドル
• 所要時間：10～30分
• 米ドル現金推奨（カード可の場合あり）
2. 電子ビザ（e-Visa）
公式サイトでオンライン申請。
• 申請～発給：約3営業日
• 承認後、電子ビザを印刷して携行
• 注意：利用可能な空港・陸路国境は限定。港湾・非公式国境では不可
e-Visa（T）
• 料金：30米ドル＋手数料6米ドル
• 滞在：30日、単一入国
e-Visa（E）
• 料金：35米ドル＋手数料7米ドル
• 滞在：30日、単一入国
