欧州連合(EU)は、CAPFish-Captureロードショーにおいてカンボジアの水産業への支援を改めて表明し、中小企業の成長促進、食品安全、輸出準備における役割を強調した。
農業・林業・水産省(MAFF)傘下の水産庁、EU、国連工業開発機関(UNIDO)が共同で主催した本ロードショーでは、漁獲後水産物開発プロジェクト「CAPFish-Capture」の成果が紹介された。
昨日コンフィレル社のプラホック粉末加工工場で開催された本イベントには、政府高官、外交官、開発パートナー、民間企業が一堂に会した。
カンボジア王国政府代表兼水産庁長官のプーム・ソータ氏は式典で、水産が国家経済と生計に果たす重要な役割を強調。「漁業は農業分野で第2位のサブセクターであり、2022年にはカンボジアGDPに占める農業部門の25%を漁業が貢献している」と述べた。欧州連合(EU)が共同資金提供するCAPFishプログラムは、養殖業と漁獲漁業の両方に焦点を当て、生産性の向上、食品安全基準の改善、国内外市場における競争力の確保を目指している。CAPFish-Captureプロジェクトを通じて、63の企業が設備の近代化と生産性向上を目的とした助成金、技術支援、投資支援の恩恵を受けてきた。
重要な成果として、カンボジア水産物の品質と安全性を保証する認証制度「カンボジア品質認証(CQS)」が導入された。これまでに19社が認証を取得し、さらに多くの企業が審査準備を進めている。「カンボジア品質認証は単なる認証を超え、国内外の消費者にとって信頼の象徴です」とソータ氏は述べた。「これにより、カンボジア水産物は競争力があり輸出可能な製品として位置付けられ、カンボジアの成長する食品安全文化を体現するものとなります」
「漁獲から加工までの旅路は終わるが、その影響は続く」をテーマに開催されたロードショーでは、トンレサップ地域とプノンペンに拠点を置く5社が紹介され、食品安全意識の啓発と輸出準備が整った企業の成功事例が強調された。
プラホック粉末加工工場で講演したEU駐カンボジア大使イゴール・ドリースマンズ氏は、カンボジア農林水産省(MAFF)、国連工業開発機関(UNIDO)、EUの連携がカンボジア企業に具体的な成果をもたらしたと述べた。
「当省及びUNIDOとのプログラム開始以来、カンボジア中小企業は緩やかではあるが着実な変革を遂げてきた」とドリースマンズ大使は述べた。「水産・農業分野の中小企業は新技術や気候変動に強い手法を取り入れ、急速に変革の原動力となりつつある」