AstuteAnalytica India Pvt.Ltd.がこのほど発表した調査レポートによると、カンボジアのData CentreおよびData Centreコロケーション市場は、同国で進行中のデジタルトランスフォーメーション、ローカルデータホスティングのトレンド、クラウドの拡大に牽引され、今後数年間で急速な成長が見込まれている。
レポート調査結果によると、カンボジアのData Centreコロケーション市場の2023年の市場規模は1億5,642万ドルで、2032年には4億1,556万ドルに達すると予測されている。
また、2024年から2032年までの年間平均成長率(CAGR)は12.3%と予測されている。
同レポートは、今後数年間の同分野の成長は、国内でのコロケーション施設の増加につながる国際的な大手IT企業との国際的な提携や、国の長期的な社会経済的・政治的目標とデジタル化の戦略的な整合性によって支えられるだろうと示唆している。
同レポートでは、インターネット普及率の上昇やさまざまな分野におけるデジタル変革への取り組み、Data Centre産業の発展を支援する政府の優遇措置や政策、クラウドデータ領域におけるディザスタリカバリや事業継続ソリューションへのニーズの高まりなどが、同市場の主な推進要因として挙げられている。
調査結果によると、2023年時点でカンボジアのインターネットユーザー数は1,000万人を超え、モバイル契約数は2,000万を超える。
ソーシャルメディアやオーバー・ザ・トップ(OTT)プラットフォームからのデータ量が増加しており、2023年時点で毎月5億時間以上のコンテンツがストリーミングされている。
同レポートはまた、カンボジア王国政府(RGC)が2023年だけでもデジタルインフラに約1億ドルの巨額投資を行うことで、インターネット利用が増加し、現地のデータ需要が高まる傾向がさらに加速していると指摘している。
カンボジア国内におけるクラウド・サービスの台頭も、近隣のデータ・ソリューションに対する需要の拡大に大きく寄与しており、昨年は500社以上の企業がビジネスや組織のためにクラウドベースのソリューションを採用している。
報告書の調査結果によると、現地のビジネス部門におけるeコマースの成長も需要に貢献しており、2023年には1,500以上のeコマース事業が新たに設立されるという。
電気通信部門の累積売上は、2023年だけで12億ドルに達することが確認された。
同レポートはまた、ストレージ・サービスに対する需要の伸びを踏まえ、最近地元市場に導入された複数の主要な新しいデータセンターにも注目している。
特に注目されるのは、カンボジアとシンガポールの共同事業として2023年に開設された ByteDC Solutions’ Tier III Data Centreで、政府機関と民間セクターの双方に信頼性の高い安全なデータストレージソリューションを提供している。
プノンペンのData Centre施設は、Tier IIIとしてカンボジア初のものであり、デジタルインフラの急成長するハブとしてのこの地域の可能性を強調している、と報告書は述べている。
さらに同レポートは、2022年にKepstar Data Centre Managementが着工する、11万平方フィート(6.5MW)のData Centreと5万平方フィート(3.5MW)の施設を含むTier III施設の重要性を指摘している。
報告書によると、カンボジアのData Centreコロケーション市場は現在、ByteDC、Chaktomuk、Kepstar Data Centre、NeocomISP’s (NTC)、KDDI Corporationの主要5社によって支配されている。
これらの企業を合わせると、市場収益の80%以上を占めており、中でもByteDCは市場シェア29.63%でトップを占めている。
同レポートによると、ByteDCの優位性は、戦略的投資とカンボジア初のTier III認証Data Centreの設立によるもので、高水準と信頼性へのコミットメントを強調し、当面の競争優位性を提供している。
このセクターへの新規投資を後押しするその他の最重要トレンドとしては、クラウドおよびハイブリッドITソリューションに対する需要の急増、Data Centreにおける持続可能でエネルギー効率の高いインフラへの注目の高まり、データ処理効率を向上させるエッジコンピューティング機能の拡大などが挙げられる。
最近の急成長とカンボジアのData Centre部門に対する政府の強力な継続的支援にもかかわらず、報告書は現在市場に参入している事業にとっていくつかの課題を詳述している。
これらの課題には、専門的なData Centreの運用・保守に携わる熟練労働力の不足、同国に最新のコロケーション・Data Centreを設立するための高額な初期投資コスト、急速に進化する技術環境における規制やコンプライアンスの複雑さなどが含まれる。