英国の労働党新政権は経済的課題に直面

労働党政権の誕生は、多くの好景気の兆しを伴って、英国の資本市場に稀に見る活力を与えた。

労働党新政権の発足初日となった金曜日、国内に焦点を当てたFTSE250指数は0.86%上昇し、英国の10年債利回りは0.8ポイント低下した。

今年第1四半期のGDPは0.6%増加し、5月の年間消費者物価指数は2%上昇した。

労働党政権は比較的好調な経済を引き継いだ。しかし、同時に大きな慣性を持つ経済にも直面した。現在の生産性水準とパンデミック以前の水準との間には依然大きな隔たりがあり、投資率は他の先進国に比べて低い。労働党政権は、経済を活性化させる上で大きな課題に直面している。

低い投資
経済観測所のデータによると、イギリス全体の投資率は、1980年代後半のGDPの約23%という高水準から、2000年以降は約17%にまで低下した。これとは対照的に、G7諸国の投資率はほぼ20~25%の間で推移している。

労働党新政権が最も重視すべきは投資である、とロンドン・スクール・オブ・エコノミクス&ポリティカル・サイエンス(LSE)のティム・ベズリー教授は新華社に語った。

経済界の重鎮や起業家と話をすると、英国経済の戦略的方向性や経済目標を達成するための制度的枠組みを見極めるのは非常に難しいと言うだろう。

しかし、労働党が首尾一貫した産業戦略と計画を策定するには時間がかかるかもしれない。

リバプール・ジョン・ムーア大学のスティーブ・ノーラン上級講師(経済学)は、労働党は慎重な選挙戦を戦い、将来の経済計画はかなり薄いと述べた。

インフラストラクチャーは、投資誘致の重要な分野になりうる。労働党政権は、インフラ整備に重点を置き、開発の道筋をつける上で重要な役割を果たす国家インフラ・サービス変革局を設立する予定だ。

「これがうまく機能すれば、英国は低水準の投資に対処できる可能性がある」とベズリー教授は言う。

税率
英国の総選挙キャンペーン中、税制は争点となり、リシ・スナック元首相は、当時の労働党党首キア・スターマーに対し、自身のスタンスを明確にするよう何度も迫った。

これに対し、労働党は所得税、国民保険税、付加価値税を増税しないと公約した。

LSEのイアン・ベッグ教授研究員は新華社に対し、労働党は「増税を抑制することで自らの手を縛った」と述べた。

ベッグ教授研究員は、イギリスの公的債務残高はGDPのほぼ100%であり、財政赤字も大きいことを指摘した。労働党政権は、低税率を維持しながら多額の借金をするなどの政策で金融市場を混乱させたリズ・トラス前首相のような落とし穴にはまらないよう、財政には細心の注意を払うべきだ。

「労働党の解決策は成長を高めることだ。労働党は、公共支出よりも規制介入によってこれを達成することを望んでいる」とベッグ教授研究員は言う。

国際貿易
フィナンシャル・タイムズ紙は昨年、ビジネス・貿易省が2023年3月期におけるイギリスへの海外直接投資プロジェクトが2016年から2017年にかけてと比較して27%減少したことを明らかにしたと報じた。

バーミンガム大学のジョン・ブライソン教授(企業・経済地理学)は新華社に対し、「労働党政権が今後5年間にすべきことは、中国、米国、EUとの関係を適切かつ前向きで建設的なものにすることだ」と述べた。

英国経済が成長するためには、これらの関係は建設的でなければならない。