オーストラリアは、カンボジア国内のカシューナッツ加工産業の拡大に向けた取り組みを支援している。新たなパートナーシップを通じて、付加価値の高い生産を拡大し、雇用を創出するとともに、カンボジアの主要農産物の一つであるカシューナッツから、より多くの経済的価値を国内に還元できるようにすることを目指している。
金曜日にソーシャルメディアへ投稿されたプノンペンのオーストラリア大使館の発表によると、カンボジアは生カシューナッツの世界第2位の生産国である一方、国内で加工されているのは総生産量の約5%にとどまっている。
同大使館は、国内加工が限られていることにより、年間1億2,500万ドルを超える潜在的な収益機会が失われていると推定している。また、農家や企業が生カシューナッツの価格変動の影響を受けやすい状況にあると指摘した。
このギャップを解消するため、オーストラリアは、世界のカシューナッツ市場で約20~25%のシェアを占めるとされる世界的なアグリビジネス企業、Olam Food Ingredients(OFI)と連携している。このパートナーシップは、カンボジアのカシューナッツ加工能力を1日80トンまで拡大するとともに、国内のカシューナッツ加工分野に最大1,000万ドルの投資を呼び込むことを目指している。
「オーストラリアは、雇用を創出し、企業を支援する質の高い投資を呼び込み、カンボジアがより強固な経済を構築できるよう支援することに取り組んでいる」と同大使館は付け加えた。
今回の取り組みは、カンボジアが引き続き大量の生カシューナッツを輸出している中で実施されるもので、特に加工用としてベトナム向けに多く輸出されている。
カンボジア・カシューナッツ協会(CAC)によると、2026年上半期、カンボジアは約103万トンの生カシューナッツを輸出し、輸出収入は約17億5,000万ドルに達した。これは前年同期比28.9%の増加となった。
同産業は好調な輸出実績を上げているものの、カンボジア・カシューナッツ協会(CAC)のウオン・シロット会長は、政策面や投資面での障壁が国内加工の拡大に向けた取り組みを阻害する可能性があると警告した。
同氏によると、指定されたカシューナッツ工業団地(CIP)以外で事業を行う企業に対する適格投資プロジェクト(QIP)優遇措置の停止により、投資家の間に不確実性が生じている。また、工業団地の整備も進展が遅く、QIP優遇措置の停止は約2年間にわたって続いていると指摘した。
さらにシロット氏は、こうした政策上の課題により、カンボジア国内のカシューナッツ加工率が大幅に低下していると述べた。国内加工率は2023年の約12%から、2025年にはわずか2.5%まで落ち込んだという。
「カンボジアが主要な原料供給国としての役割から脱却し、世界のカシューナッツ産業で生み出される付加価値のより大きな割合を国内に取り込むためには、国内加工の拡大が不可欠だ」と同氏は述べた。
シロット氏はさらに、オーストラリアの支援を受けた今回の取り組みは、単に加工能力を拡大するだけにとどまらないと付け加えた。同取り組みは、投資の促進、技術移転、雇用創出、そしてカンボジアのカシューナッツ・サプライチェーン全体における持続可能な付加価値の創出を促すきっかけになることが期待されている。
なお、今年初め、商業大臣のチャム・ニムル氏は、Olam Food Ingredients(OFI)ベトナムのシニア・バイスプレジデント兼カントリーヘッドであるガウラフ・パティル氏と会談し、カンボジアのカシューナッツ加工分野における投資拡大と協力について協議した。
シンガポールに拠点を置くOlam Groupの傘下企業であるOFIは、Olam Outspan (Cambodia)を通じて2017年からカンボジアで事業を展開しており、カシューナッツをはじめとする農産物の加工に投資している。
パティル氏は、カンボジアの安定した経済・政治環境を評価し、同社がカシューナッツ加工分野への投資を拡大する計画であると述べた。
また、カンボジアの農産物の加工促進と多様化を支援する仕組みを構築するため、商業省(MoC)とのさらなる緊密な協力を提案した。
ニムル氏は、同社の投資計画を歓迎するとともに、同分野を支援するという同省の姿勢を改めて表明した。
カンボジアでは、10州にわたり約70万ヘクタールのカシューナッツ農園が広がっている。2025年、同国は生カシューナッツの輸出により15億ドルの収益を上げ、前年から30%増加した。
政府は、カンボジア初となるカシューナッツ加工専用工業団地をコンポントム州に設立する計画を加速させている。約600ヘクタールの敷地を有するこの取り組みは、カンボジアを世界有数のカシューナッツ生産国へと発展させるという商業省(MoC)のビジョンに沿ったものである。