カンボジア政府は、エネルギー安全保障の強化と石油製品の輸入依存の削減を目的として、今後3年以内に同国初となる石油精製所の設立を目指している。鉱業・エネルギー省のケオ・ロッタナック大臣が明らかにした。
ロッタナック大臣は水曜日、プノンペンで開催された「カンボジア・ASEANビジネスサミット2026(CABS 2026)」の会場で報道陣に対し、カンボジアには現在、石油精製所だけでなく原油を保管・処理するための施設も存在せず、精製燃料の輸入に大きく依存している状況だと説明した。
「王国政府は現在、カンボジア国内に石油精製所を設立する計画を進めるため、複数の投資企業と協議を行っている」と同大臣は述べた。
「すべてが計画通りに進めば、3年以内の実現を期待している」
同大臣によると、カンボジアはこれまで主にガソリン、ディーゼル、ジェット燃料などの精製石油製品を、近隣諸国の製油所から輸入してきた。国内に精製能力がないため、輸送、産業、発電に必要な燃料のほぼすべてを輸入に頼っているという。
ロッタナック大臣はまた、過去に石油精製所建設が進まなかった理由として、巨額の投資が必要であることに加え、経済的に採算を取るためには十分に大きな国内市場が必要だったことを挙げた。以前、フン・セン前首相も製油所建設の可能性を検討したが、当時の燃料需要は数十億ドル規模の投資を正当化するには小さすぎると判断された。
しかしこの10年で、急速な経済成長、都市化、そして自動車保有台数の増加により、カンボジアのエネルギー需要は大きく拡大している。政府データによれば、製造業、物流、観光の拡大に伴い燃料需要は継続的に増加している。
エネルギー専門家は、国内に石油精製所が建設されれば燃料供給の安定性が高まり、精製燃料を輸入する際の輸送コスト削減にもつながると指摘する。また、貯蔵ターミナル、パイプライン、石油化学施設など関連インフラへの投資機会も生まれる可能性がある。
カンボジアはまた、石油・ガス資源の国内開発も進めている。2020年にはタイ湾のアプサラ油田から初の海洋石油生産を開始したが、プロジェクト運営企業の財政問題により生産はその後停滞した。
こうした課題があるものの、政府はエネルギー分野の発展を引き続き推進し、国家のエネルギー自立の強化と長期的な経済成長の支援を目指している。
計画が実現すれば、カンボジアのエネルギー産業にとって大きな節目となり、地域の燃料供給網における同国の役割を大きく変える可能性がある。