日本、法務省顧問に外務大臣表彰を授与カンボジアの法制度発展への20年以上の貢献を称える

日本政府は、カンボジアの法務省顧問を務める坂野一正氏に対し、同国の法制度および司法制度の発展に20年以上にわたり寄与してきた功績を称え、2025年外務大臣表彰を授与した。

表彰式は、上野篤志駐カンボジア日本大使が主催し、最高裁判所長官チブ・ケン、国民議会立法司法委員会委員長アン・ヴォン・ヴァッダナ、上院立法司法委員会委員長チャン・ソテアヴィー、法務省上級官僚らが出席した。

上野大使は、坂野氏の長年にわたるカンボジアへの献身を称賛し、その関わりは1990年代初頭、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)のボランティアとして始まり、その後NGOでの活動に続いたと紹介した。

1998年には国際協力機構(JICA)の専門家としてカンボジアに戻り、同国の法制度・司法制度整備の第一次フェーズで中心的役割を果たした。続いて2004年からは第二次・第三次フェーズにも大きく貢献した。

10年以上にわたり、同氏は民法をはじめとする重要法令の起草に携わり、カンボジアの法律家・司法関係者の育成にも尽力してきた。2018年以降は法務省顧問として土地法改正を含む主要改革に深く関与している。

上野大使はまた、坂野氏が日本の大学でカンボジアの法制度を講義するなど、日カンボジア相互理解の深化にも寄与したと述べ、さらにピアニストおよびプノンペン・シンガーズ合唱団の指揮者として文化交流にも貢献している点を紹介した。同合唱団は表彰式でも演奏を披露した。

「坂野氏の多年にわたる功績は、日本のカンボジア国づくり支援を象徴するものです。法制度・司法分野にとどまらず、両国の包括的な関係強化にも大きな役割を果たしてきました」と上野大使は述べた。日本の法制度協力は25年以上続いている。

大使は今回の表彰が、カンボジアの法制度・司法分野における両国協力をさらに強化し、同国の法制度改革の継続を後押しすることへの期待を表明した。

坂野氏はこれまでのカンボジアの法制度・司法制度整備への関わりや法務省での業務について言及し、「今回の外務大臣表彰は、私個人への栄誉であると同時に、カンボジアの法制度・司法制度強化に向けた日カンボジア協力の成果でもあります」と語った。