カンボジアのシハヌーク前国王妃、タイ国境沿いの避難住民支援に10万ドル寄付

カンボジアのノロドム・モニニヤット・シハヌーク前国王妃は、タイ国境付近で避難生活を余儀なくされている住民を支援するため、カンボジア赤十字(CRC)に10万ドルを寄付しました。寄付金は23日午後、副首相兼王宮相のクイ・ソファル氏によって、プノンペンの赤十字本部で事務総長のオウク・マリ氏に手渡されました。

マリ氏は、CRCのブン・ラニー・フンセン総裁に代わり寄付を受領するとともに、前国王妃への謝意を伝える総裁名の書簡をソファル氏に渡しました。書簡では、今回の寄付が「国境地域で避難を強いられている住民の苦難に対する前国王妃の変わらぬご関心を示すものだ」と述べられています。

また、CRCは「今回の寄付は、国境付近の緊張によって影響を受けた避難家族にとって極めて重要な支援となる」と強調し、前国王妃の健康と幸福を祈念する言葉も添えました。

この席上、マリ氏は前国王妃からの過去の支援によって実施された人道プロジェクトについて説明しました。CRCによりますと、これまでに脆弱な農村世帯向けの住宅28棟の建設、各地での井戸33基の設置、手洗い場13カ所の整備、さらに4カ所の衛生施設内にトイレ13基を設置するなどの事業が実施されたということです。

CRCは、今回の寄付金について、避難者への緊急支援として、仮設住居、食料、水の提供などに充てる方針を示しています。現地では今後も関係当局や人道支援チームが、被害を受けたコミュニティの状況を調査し、必要な支援を継続する見通しです。