3億ドル規模の土地投資詐欺の被害者ら 投資会社経営者の再逮捕求め抗議

カンボジアの投資会社「ピップ・ダイメアス・インベストメント」による土地投資詐欺の被害を訴える300人以上が、25日、プノンペン市裁判所前で抗議活動を行い、会社のオーナーらの再逮捕と資産凍結を求めました。

抗議に参加した人々は各地から集まり、2024年に保釈された元実業家ハイ・キムホン氏と妻のサン・ソテアビン氏、そして会社幹部らが、被害者への補償を約束しながら履行していないと主張しています。
また、当局に対し、オーナーらの資産を凍結し、2018年から2023年にかけて同社の土地プロジェクトに投資した人々への返済に充てるよう求めました。

この日、裁判所側は代表者と面会し、提出された要望について2週間以内に検討すると説明しました。
プノンペン市裁判所のティット・ソティ・ボラチャット副局長はデモ参加者に対し、「裁判所として可能な限り支援するが、手続きは法に基づき、初審、控訴審、最高裁へと進む可能性があるため、迅速に解決できる問題ではない」と述べ、関係者の召喚を進める方針を示しました。

被害者代表のムオン・クンティアさんによりますと、裁判所は提出された7項目すべてを受理し、キムホン氏夫妻らの再逮捕については2週間以内に回答すると説明したということです。
また、12月24日午前8時30分から関係者の審理が予定されています。

被害者側は、キムホン氏のほか、ハイ・ヴィアスナ氏、チェン・サンハック氏、トー・ヴティ氏ら幹部の再逮捕と、資産の差し押さえ・凍結による被害回復を強く求めています。

プレイベン州から参加した人力車運転手、スルン・ヴティさん(40)は、銀行から借り入れた3万ドルをカンポンスプー州の土地2区画に投資したものの、利息を受け取れたのは1か月だけだったと話しました。
「会社を信用したのに、いまでは借金だけが残っています。銀行に返済するためにも、オーナーらを再逮捕し、お金を返してほしい」と訴えています。

また、カンポンスプー州の警備員、ムット・ピセイさん(38)は、3%の月利を約束され、銀行から5万ドルを借りて投資したものの、15か月後に支払いが止まったと話しました。
「法律に従って処罰し、被害者に返済してほしい」と述べています。

ピセイさん によりますと、被害者は8,000世帯以上に上り、被害総額は3億ドルにのぼるということです。個々の投資額は1万5,000ドルから80万ドルに及びます。

一方、会社側のキムホン氏夫妻らは25日現在、取材に応じていません。

裁判所の資料によりますと、同社会長兼社長のハイ・キムホン氏(41)は、刑法380条「加重詐欺」の容疑で2023年8月7日に逮捕されましたが、翌2024年8月10日に被害者への補償を約束したうえで保釈されました。しかし、抗議する人々は「約束が果たされていない」と訴えています。