カンボジア、農業分野への米国投資誘致を強化

プノンペンの米国大使館は最近、カンボジアの農業分野における投資機会の創出と課題解決を目的としたハイレベルなアグリビジネス円卓会議を開催しました。
この会議では、カンボジアの成長著しいアグリビジネス市場において、米国企業との連携促進に焦点が当てられました。

このフォーラムには、カンボジア開発評議会(CDC)、商業省(MoC)、農林水産省(MAFF)、産業・科学・技術・イノベーション省(MISTI)の関係者に加え、カンボジアカシューナッツ協会(CAC)、カンボジア米連盟(CRF)、カンボジア商工会議所(CCC)の代表者らが参加しました。

カンボジア米連盟(CRF)会長のライ・チュン・アワー氏は、金曜日にクメール・タイムズ紙に対し、「今回の米国大使館および在カンボジア米国商工会議所(AmCham)との会合は、経験共有と協力の可能性を探る上で非常に有意義だった」と述べました。

アワー氏は、「米産業界には、国内外のバイヤーとのビジネスマッチングや商談ミッションの開催支援をお願いしました。また、特に米の精米・包装分野や、米粉・米麺など米関連製品の産業への投資を呼びかけ、より多くの投資を促進したい」と語りました。

一方、カンボジアカシューナッツ協会(CAC)副会長のスイ・コクティアン氏は、水曜日のインタビューで、「このフォーラムは、カンボジアの農業潜在力を米国投資家に示し、米国の投資がどのように貢献できるかを特定することを目的としている」と述べました。
また、主要作物であるカシューナッツ、キャッサバ、米の加工分野や、農業機械などの技術協力の可能性についても議論されたと説明しました。

コクティアン氏はさらに、「カンボジア側は外国投資家に対する政府の優遇政策について詳細に説明し、米国側はカンボジアに関心を持つ潜在的な投資家に提出する報告書を作成した」と強調しました。

CACの声明によると、2025年の最初の8か月でカンボジアは生カシューナッツ(RCN)を94万1,000トン輸出し、推定14億ドルを得たとされています。
しかし、コクティアン氏は「国内のカシューナッツ加工能力が限られているため、産業の付加価値を十分に獲得できていない」と指摘しました。
「もし国内加工施設への投資が増えれば、副産物の付加価値効果により輸出収益を最大120%拡大できる可能性がある」と述べています。

同氏はまた、カシューナップル(果実部)の未利用問題にも言及しました。通常は農場で廃棄されていますが、家畜飼料、酢、酒類などに加工できる可能性があるものの、技術・資金面の支援不足が障害となっていると説明しました。

さらに、2025年のカシューナッツ価格は収穫期以降も堅調で、乾燥カシューナッツも好調に販売されていると述べました。一部の低品質カシューナッツでは若干の値下がりが見られるものの、依然として「受け入れ可能な価格水準」にあるとしています。

米国大使館は声明の中で、「今回の円卓会議は、カンボジア関係者と米国投資家の間で戦略的優先事項や新たな機会、協力分野を議論するためのプラットフォームとなった」と述べ、関係者の知見が今後の米国の投資パートナーシップ形成にとって貴重であると強調しました。

一方、カンボジア王国政府(RGC)は、コンポントム州産カシューナッツを地理的表示(GI)製品として指定する準備を進めており、価格上昇と輸出促進が期待されています。

農林水産省(MAFF)によると、カンボジアのカシューナッツ栽培面積は約58万117㌶で、世界第3位の栽培国です。
州別では、コンポントム州が14万7,700㌶で最大、次いでクラチェ州が10万2,500㌶、ラタナキリ州が9万7,200㌶となっています。