タイ軍の高官が、60年以上前に国際司法裁判所(ICJ)がカンボジアに帰属を認めた歴史的寺院プレアビヒアの返還に向け、タイが取るべき二つの可能性を示唆した。タイメディアによると、火曜日、タイ第2軍管区司令官のブーンシン・パドクラング将軍は、1962年にICJでタイが敗訴したことを認めた。しかし、法律専門家から、タイがこの問題を追求するための二つの方法が示されたと述べた。すなわち、ICJに新たな訴訟を提起するか、軍事力を行使するかである。
将軍によれば、新たな提訴では「寺院構造物はタイ側国境近くに存在するが、背後の崖面はカンボジア領内にある」と指摘し、過去の判決がタイに不公平だったと主張する方針だ。ただし、国際社会が既にカンボジアの所有権を認めているため、法的課題が極めて大きいことも認めた。
軍事行動については、ブーンシン将軍は選択肢として残されているとしながらも、国際社会の非難を招く可能性が高いと警告した。さらに、カンボジアは主要入口があるタイ側からの寺院へのアクセスを制限し、代わりに自国領内から新たな道路を建設中だが、進捗は遅れていると付け加えた。
この発言はタイ国内で議論を巻き起こし、一部評論家は発言の妥当性を疑問視した。タイ人ジャーナリストのプラウィット・ロジャナプルック氏は「タイ国民全体にとって恥ずべき発言」と評し、カンボジアに謝罪するとともに、これはタイ暫定政府の公式見解を反映したものではないと強調した。
11世紀に建立されたヒンドゥー教寺院プレアビヒアは、長年両隣国間の争点となってきた。1962年の国際司法裁判所(ICJ)判決で寺院はカンボジアの主権下に置かれたものの、周辺土地をめぐる紛争が度重なる緊張や時折の軍事衝突を招いており、特に2000年代後半に顕著であった。