カンボジアの経済見通し、産業成長率の低迷が影響 観光業の回復により輸出の増加が期待されるが

アジア開発銀行(ADB)は、カンボジアの経済成長率見通しを5.3%に下方修正した。この修正の主な理由は、産業部門の成長が予想より鈍化したことである。報告書によると、2023年上半期の衣料品、履物、旅行用品の輸出は前年同期比18.6%減少した。ADBのカンボジア担当カントリー・ディレクターであるJyotsana Varma氏は、年初の国内産業の成長鈍化にもかかわらず、主要先進国の成長見通しが改善していることから、2023年の残りの期間、カンボジアの輸出は増加すると述べた。 ADBの報告書は、2023年のカンボジアの様々なセクターの成長予測を修正した。サービス部門の成長予測は7.3%から8%に引き上げられ、工業生産の成長予測は5.8%から4.8%に下方修正された。また、農業の成長率予測も1.1%から0.9%へと若干下方修正された。インフレ率に関しては、今年が3%、来年が4%という予測を維持した。この安定は、商品貿易の改善と観光業の継続的な回復が見込まれ、経常収支赤字の減少に寄与するためである。しかし、報告書はカンボジア経済の見通しに対するいくつかのリスクも強調している。これらのリスクには、先進国経済の成長鈍化、観光客の減少、海外からの直接投資流入の減少、世界的な金融引き締めの長期化、エネルギー価格の上昇、高水準の民間債務に対する懸念、国内金融の安定性、気候変動によって悪化する異常気象などが含まれる。今後について、ADBは2024年のカンボジアの成長率予測を6%に据え置いた。

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