カンボジアの水力発電ネットワークを変革するオックスフォード大学のプロジェクト

オックスフォード大学はこのほど、急成長するカンボジアの水力発電ネットワークを変革し、同国全域で「持続可能かつ公平な」エネルギー・アクセスを確保するプロジェクトを開始した。

3年間のSMART水力発電ソリューション(SMART-HS)プロジェクトは、カンボジア、ラオス、ベトナムにおける気候変動、老朽化したインフラ、急増するエネルギー需要の問題に取り組む。

アジア開発銀行(ADB)によると、水力発電はカンボジアのエネルギー生産の40%以上を占めている。

この250万ドルのプロジェクトは、同大学地理環境学部のルイーズ・スレーター教授(水文気候学)が率いる。

「このプロジェクトは、地域の水力発電ネットワークの効率と安全性を向上させるために、最先端のモニタリングと予測技術を開発する」とスレーター教授は述べた。

このプロジェクトの核心は、地域社会に力を与え、すべての地域がクリーンエネルギーの進歩から利益を得られるようにすることである。

これには、地元オペレーターへのトレーニングの提供や、いかなる地域社会も取り残されることのないよう、エネルギー部門における男女平等の促進が含まれる。

「SMART-HSは、特に十分なサービスを受けていない農村部において、よりクリーンで信頼性の高いエネルギー発電を支援するとともに、包括的で持続可能な活動を促進する。」
ADBの支援を受けて策定されたカンボジアの電力開発マスタープラン(PDP)2022-2040は、「再生可能エネルギー資源の開発を優先」し、「手頃な価格で、信頼性が高く、安定した」エネルギーを国全体に提供することを目指している。

カンボジアのエネルギー生産は過去10年間、年率19%で伸びており、「世界で最も急速に電化が進んでいる国のひとつ」とマスタープランは述べている。

オックスフォード大学のプロジェクトでは、センサーを設置し、衛星を利用したモニタリングを行う予定だとスレーター氏は述べた。