欧州連合(EU)のカヤ・カラス外交安全保障上級代表(兼欧州委員会副委員長)の招きを受け、カンボジアのソック・チェンダ・ソピア副首相は今週、ベルギーのブリュッセルで開かれた第4回EUインド太平洋閣僚フォーラムに出席しました。
フォーラムは21日と22日に開催され、EU機関と67か国の外相・代表が参加し、両地域の戦略的協力を前進させる上で重要な節目となりました。
会合では、地政学的情勢の変化に伴う安全保障課題、経済安全保障やデジタル連結性を含む共同繁栄、さらには持続可能で環境に優しい未来に向けた取り組みなど、幅広い議題が議論されました。
ソック・チェンダ・ソピア副首相は、ASEANが掲げる「2045年ビジョン」とEUの「グローバル・ゲートウェイ」構想の連携強化が不可欠だと強調しました。また、デジタル経済、連結性、サプライチェーン、グリーン転換などの分野で協力を深める必要性を指摘しました。
副首相は、サイバー犯罪のリスクが高まる中、デジタル連結性と並行したサイバーセキュリティ協力の強化に向けた国際的な取り組みを呼びかけ、先月ハノイで署名された国連サイバー犯罪条約を歓迎しました。
フォーラムに先立ち、副首相はカラス上級代表主催のASEAN・EU作業昼食会に出席し、二地域がいかにしてレジリエンスを高め、安全保障・経済協力を前進させ、地政学的緊張の高まる中で開かれたルールに基づく地域秩序を維持していくかについて意見を交わしました。
副首相は、ASEANとEUが対話、相互信頼、協力を基盤に、両地域の平和と安定の維持に貢献してきたと述べ、複雑で不確実な国際環境の中でも、両地域が協力して安定要因としての役割を果たしていく強い決意を改めて示しました。
ブリュッセル滞在中、副首相はリトアニアのビドマンタス・ヴェルビツカス外務副大臣との二国間会談も行いました。両者は昨年プノンペンで実施された初回のカンボジア・リトアニア二国間協議の成果を歓迎し、継続的な対話と新たな協力機会の模索に向け、次回協議への期待を示しました。
また副首相は、人材育成強化に向けたリトアニアの提案および奨学金制度に謝意を表しました。