インセンティブがカンボジアのEV成長を牽引

カンボジアがより持続可能な未来への道筋を描く中、プノンペンの街角では静かながらも重要な革命が起きている。かつては珍しい存在だった電気自動車（EV）が、カンボジアの道路で増えているのだ。
二酸化炭素排出量削減への政府のコミットメントと、よりクリーンなエネルギーへの世界的なシフトに伴い、疑問が生じる： カンボジアでは、電気自動車は従来の内燃機関（ICE）に取って代わることができるのだろうか？
2023年、カンボジアで登録されたEVの総数は1,335台に達し、2022年の663台から2倍以上に増加した。
この急増は、政府のインセンティブ、環境意識の高まり、バッテリーや充電インフラの技術的進歩など、いくつかの要因によるものだ。
今年7月11日、電気自動車開発に関する国家政策が発表され、2030年までにEVを77万台普及させるという目標案が示された。
この目標に向けて、カンボジア政府は電気自動車の導入を奨励するさまざまな取り組みを実施している。2021年、経済財務省は電気自動車の輸入に対する免税措置を導入し、消費者にとって電気自動車がより手頃な価格となった。
さらに、政府は充電インフラへの投資を進めており、主要都市や高速道路沿いに充電ステーションを設置する計画だ。政府の政策は、電気自動車市場の形成において重要な役割を果たす。財政的な障壁を軽減し、必要なインフラに投資することで、国は電気モビリティへの移行を加速することができる。
「民間セクターがEV革命の推進役になる一方で、政府は規制と実現に向けた中心的な役割を担っています」と、エナジーラボのカントリー・ディレクター、ナタロン・ンゴ・ソンはクメール・タイムズに語った。
ナタロウン氏はさらに、電気自動車の普及において最も重要な要因は、現在および今後のEVブランド、サービスプロバイダー、充電ステーションネットワークなどのインフラの信頼性、充電ポイントへの発電・電力供給のための送電網全体の安定性であると述べた。
前向きな勢いにもかかわらず、カンボジアにおける電気自動車の普及を妨げる可能性がある課題もいくつかある。重大な障壁のひとつは、特に農村部での充電インフラが限られていることだ。
プノンペンのような都市部では充電ステーションの整備が急速に進んでいるが、農村部ではまだ十分なサービスが行き届いていない。EVが真に内燃機関に取って代わるためには、国土の隅々まで行き渡る強固な充電ネットワークが必要だ。
さらに、電気自動車の初期コストは、多くの潜在的購入者にとって依然として懸念事項である。政府の優遇措置によって経済的負担は軽減されるものの、多くのカンボジア人はいまだに電気自動車を必需品ではなく贅沢品と見なしている。
世界がより持続可能な未来に向かって進む中、カンボジアの準備態勢には疑問が残る。移行は進行中だが、政府、民間セクター、消費者の協調的な努力が必要なようだ。
このビジョンを達成するには、政府、企業、市民など、すべての利害関係者の協力が必要である。