マイクロファイナンスの不良債権管理は銀行スより優れている

マイクロファイナンスは、純粋なMFIよりも不良債権の管理が行き届いているようだ。

5つの預金取り扱いマイクロファイナンス、すなわちAMK Plc、Amret Plc、LOLC (Cambodia) Plc、Mohanokor Plc、Prasac Microfinance Institution Plc (Prasac マイクロファイナンス Plcとしても知られる)の合計の不良債権比率は、2022年12月31日時点で1.4%であった。一方、カンボジア国立銀行のデータによると、国内で82の認可を受けた純粋なマイクロファイナンスは、2022年12月時点で不良債権比率が9.1%と高い。

不良債権比率は、銀行の不良債権がどれほどの脅威であるかを示すもので、不良債権額を総貸付ポートフォリオで割って算出される。不良債権比率が低ければ低いほど健全であることを示し、高ければ高いほど懸念材料が多いことを示す。

前年の2021年と比較すると、預金取扱金融機関の不良債権比率は2022年も1.4%で変わらなかった。しかし、純粋経営のマイクロファイナンスについては、不良債権比率は2021年の9%から2022年には9.1%とわずかに悪化した。

マイクロファイナンス業界による融資総額は、2023年12月31日時点で38兆9,000億KHR(95億4,000万ドル)であった。このうち、預金取扱金融機関は融資総額の85%、33兆2,200億KHR(81億5,000万ドル)を発行している。一方、純粋なマイクロファイナンスは残りの15%、5兆7,025億KHR(14億ドル)を融資した。

業界全体の不良債権比率は2.5%で、不良債権は9,800億KHR(2億4,000万ドル)で、業界が発行したローン総額の2.5%を占めた。

預金取扱金融機関5社の不良債権は4,600億KHR(1億1,300万ドル)、純粋な金融機関の不良債権は5,200億KHR(1億2,800万ドル)であった。

また、その割合としては、預金取扱金融機関の不良債権がカンボジアのマイクロファイナンスの不良債権全体の47%という高い割合を占めている。一方、純粋なマイクロファイナンスの不良債権は53%であった。

規制

預金取り扱いマイクロファイナンスは、カンボジア国立銀行からの監視が厳しくなっているため、規制が一役買うかもしれない。

最低資本金規制を考えてみよう。純粋なマイクロファイナンスの場合、2億5,000万KHR(約61,330ドル)である。預金取扱金融機関の場合はさらに高く、100億KHR(約245万ドル)である。

また、預金取扱マイクロファイナンスには、預金者に返済するための十分な流動性を確保するため、より高い支払能力が要求される。

不良債権は最大40~74

カンボジアの82の純粋経営マイクロファイナンスのうち、不良債権が貸出金残高の40~60%にも上るマイクロファイナンスは少数であった。

約27の預金取扱マイクロファイナンス機関は財務状態がかなり良好で、不良債権は融資ポートフォリオ全体の0~5%であった。次に、不良債権比率が6~10%のMFIが13社、11~20%の預金取扱マイクロファイナンス機関が14社あった。

また、不良債権比率が21~40%と高いマイクロファイナンスも8社あった。そして最後の方では、不良債権比率が41〜72%と悪いマイクロファイナンスが7つあった。すなわち、Asia Pacific Finance Plc(50.2%)、Grow MicroFinance Institution Plc(43.6%)、Jet’s Cash Box Finance Plc(58.3%)、Royla Plc(58.3%)、Samaky Capital Plc(47.4%)、Vivath Golden Finance Plc(55.9%)、Piphup Thmey Microfinance Plc(72.6%)である。

また、13のマイクロファイナンスは不良債権を報告していなかった。