米国、空母打撃群を中東に展開 イランは攻撃に報復警告

米国防当局は月曜日、航空母艦を中核とする米海軍の打撃群が中東海域に展開したと明らかにした。これに対しイランは、反政府デモへの強硬な弾圧を受けた米国の軍事行動が行われた場合、報復する用意があると警告した。展開されたのは空母「エイブラハム・リンカーン」を中心とする打撃群で、同地域における米国の軍事力を大幅に強化するものとなる。米中央軍は、この派遣の目的について「地域の安全と安定を促進するため」と説明している。

今回の動きは、米国拠点の人権団体「人権活動家ニュース機関(HRANA)」が、デモ関連の混乱によりこれまでに5,848人の死亡を確認したと報告したことを受けたものだ。同団体は、さらに17,091人の死亡の可能性について調査を続けており、実際の犠牲者数は大幅に増える可能性があると指摘している。

抗議デモは昨年12月下旬、経済的困窮への不満を背景に始まり、その後、体制全体に反対する大規模な運動へと発展した。1月8日以降、各地で行われた大規模な街頭デモは、人権団体が「前例のない暴力」と形容する強硬な対応を受けた。治安部隊は、同国史上最長となる18日間のインターネット遮断の中で、群衆に向けて発砲したと非難されている。

トランプ米大統領は、今回の展開を「万が一に備えた大規模な艦隊」と表現し、軍事介入の可能性を排除していない。米国は6月、イスラエルとイランの12日間の衝突に一時的に関与したが、今回の海軍展開は新たな緊張の高まりを示すものとみられている。

一方、テヘランでは外務省が「いかなる侵略行為に対しても、包括的かつ後悔を伴う対応を取る」と警告した。報道官のエスマイル・バガエイ氏は、空母の到着はイランの「国家防衛への決意を揺るがすものではない」と述べた。軍高官も、西側諸国の軍備増強は自らを「容易に攻撃可能な標的」にするだけだと主張した。

地域への影響も広がっている。レバノンでは、2024年のイスラエルとの戦争で指導部が大きな打撃を受けた親イラン組織ヒズボラが集会を開催し、指導者のナイム・カセム氏は、イランとの戦争は「地域全体を火の海にする」と警告した。米軍基地を抱えるアラブ首長国連邦(UAE)は、同国領土からイランへの攻撃を行うことは認めないと明言している。

外交面での圧力も強まっている。イタリアのタヤーニ外相は月曜日、抗議デモでの民間人犠牲の多さを理由に、イラン革命防衛隊を「テロ組織」に指定するよう欧州連合(EU)に求めた。これに先立ち、カナダと米国も同様の措置を取っている。