フランス北部の町フェール・アン・タルドゥノワにある公共公園が、カンボジアの故・国父ノロドム・シハヌーク陛下と、カンボジアとフランスの歴史的関係を称え、「ノロドム・シハヌーク・ガーデン」と命名された。カンボジア王国大使館(在フランス)が月曜日に発表した。
この名称は、同市の市議会で正式に承認された。フェール・アン・タルドゥノワは、カンボジア近代政治史において重要な意味を持つ地であり、1987年に国父ノロドム・シハヌーク陛下が当時のフン・セン首相と初めて会談を行った場所として知られている。
この対話は、後にカンボジアの和平と国民和解プロセスの出発点となり、1991年のパリ和平協定へとつながった。同協定は、数十年に及ぶ紛争に終止符を打ち、カンボジア国民に安定と復興の新たな時代をもたらした。
大使館の発表によると、「ノロドム・シハヌーク・ガーデン」の開園式典は1月8日に行われる予定で、国王ノロドム・シハモニ陛下の名代として、国王最高顧問であり上院議員でもあるノロドム・アルンラスミー王女が主宰する。
カンボジア王国大使館は、この顕彰に対し深い感謝と誇りを表明した。
また、フン・セン前首相の伝記作家で地政学専門家のポウ・ソク氏は、この記憶と敬意を示す動きを歓迎した。同氏は、「この場所はパリから約100キロ離れた小さな農村地域に位置しているが、カンボジアにとっては、いわゆるフン・セン・シハヌーク会談、すなわち和平交渉の始まりの地である」と述べた。
さらに、公園の命名は、フランスが国父ノロドム・シハヌーク陛下と王母ノロドム・モニネアット陛下を受け入れた歴史を想起させるとともに、この地が和平交渉の重要な起点であったことを認識する目的があると説明した。
「これはカンボジアとフランスの緊密な外交関係を象徴している」とソク氏は語った。
同氏はまた、初回の会談の成果自体は、当時の和平交渉関係者やカンボジア国民にとって十分満足のいくものではなかったとしながらも、対立するカンボジア勢力を結び付ける温かく希望に満ちた第一歩であったと評価した。
「最も重要なのは、この会談で双方が、流血を終わらせ戦争を終結させる解決策を探るため、協議を継続することを約束した点だ」と述べ、「それが後の交渉への重要な架け橋となり、最終的に1991年10月23日のパリ和平協定へとつながった」と強調した。