カンボジア国立銀行(NBC)は、Huione Pay Plc に対して未払い債権を有する個人に対し、12月9日から18日までの期間にプノンペン市センサック区にある新本部で関連書類の確認を行うよう呼びかけた。
この措置は、急速に拡大する国内デジタル決済分野における透明性確保と消費者保護を強化する取り組みの一環として実施される。
NBCは12月5日に発表した声明の中で、Huione Pay の運営ライセンスが2024年9月に取り消され、その後、法的手続きに従い REACHS & Partners Co Ltd により清算が行われたことを改めて明らかにした。
しかし、清算完了後も未払いを訴える債権者の投稿がソーシャルメディア上で増加しており、消費者保護やフィンテック分野に対する信頼性に懸念が生じている。
これを受け、NBCは該当者に対し、12月8日から19日までの間に午後4時までに新本部へ直接来訪し、本人確認と債権証明に必要な書類を提示するよう求めている。
中央銀行は、こうした体系的な確認プロセスは未払債権の正確かつ迅速な処理に不可欠であり、オンライン上での誤情報や不正請求の防止にもつながると強調した。
さらにNBCは、関連当局の許可を得ていない暗号資産との取引に対し、引き続き最大限の警戒を呼びかけた。規制されていないデジタル資産には、市場の健全性や投資者保護を脅かす財務リスクが存在するとして注意を促した。
今回の措置は、無許可の金融サービスに伴うリスク管理、金融システムの安定確保、そして正式な金融システムへの信頼強化を目指すNBCの取り組みを反映している。カンボジアがデジタル金融包摂を進め、決済インフラの近代化を図る中で、透明性・消費者保護・規制監督の強化が引き続き優先されている。
また、この件はカンボジアにおけるノンバンク金融サービス事業者への監督強化の流れを示すものでもある。NBCは市場規律と監督の強化を通じて、消費者保護、金融システムの安定、フィンテックおよび電子決済分野の持続的発展を図っている。
なお、REACHS & Partners Co Ltd は12月4日、NBCが同社を正式な清算人に任命したと発表した(発効日は2024年12月5日)。任命後、同社は Huione Pay から提出された資産・負債一覧に基づき、法令に沿って清算手続きを進めた。
同社は、昨年12月5日と23日の2度にわたり債権申請に関する公告を行い、すべての適格債権者に申請機会を提供したと説明。資産売却と債務弁済を法的手順に則って完了し、すべての債権者および株主に対して清算完了を正式に通知したとしている。