カンボジア政府は2026年より、第5世代(5G)移動通信サービスの商用提供を開始する方針を正式に発表した。政府は金曜日、この決定を「国家の野心的なデジタル変革に向けた重要なマイルストーン」と評価している。
郵便・電気通信省(MPTC)は、複数の友好国および開発パートナーとの戦略的合意の締結を受け、正式な導入スケジュールを明らかにした。
この発表は、常務副首相であり首相府担当大臣でもあるヴォンセイ・ヴィソット氏が主催した式典において行われ、同国政府が同技術に対し高い関心と強いコミットメントを持っていることを示した。
MPTCによれば、5G導入は広範な経済・社会的な利益をもたらすとされる。5Gは4Gの最大10倍のデータ速度を実現し、ダウンロード速度や高精細映像のストリーミング性能、デジタルサービスの信頼性が大幅に向上するほか、知能型交通管理や緊急対応システムなどリアルタイム性が求められる重要分野を支える超低遅延を提供する。
さらに、新たなネットワークは1平方キロメートル当たり数百万台のデバイス接続を可能にし、スマートシティ、デジタル農業、スマート製造業の発展に不可欠なデジタル基盤となる。
当局は、強化された5G接続により、製造業、物流、フィンテック、電子商取引、テック系スタートアップなど、主要産業分野における生産性向上を促進し、カンボジアのデジタル・エコシステムの発展が加速すると見込んでいる。
また、eヘルス、e教育、eガバメントなど公共サービスの質も大きく向上し、より迅速で効率的かつ市民にとって利用しやすい行政サービスの実現が期待されている。
政府は、全国規模での5G展開によって外国直接投資(FDI)の誘致、高付加価値雇用の創出、そして地域・国際競争力の強化につながると強調する。MPTCは「5Gは単なる高速インターネットではなく、カンボジアの未来のイノベーション、近代化、そして包摂的なデジタル成長を支える基盤インフラである」と述べた。
同省は、導入モデルに関する詳細な調査を完了しており、国内の通信事業者各社と緊密に連携し、技術面の準備、サービス品質の確保、そして2026年からの全国商用展開に向けた円滑な移行を進めているという。